譲治の勉強日記

医学部・大学受験について書いています

ランゲルハンス島・ランゲルハンス細胞・ラングハンス巨細胞の違い

ランゲルハンス島とは?

まずは膵臓の説明

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膵臓 - Wikipediaより引用

膵臓の中にある細胞塊のことをランゲルハンス島と呼びます。

 

膵臓の位置は第1,2腰椎あたりです。重さは60~100g、25cmほどの長さの臓器です。役割は十二指腸の消化を助けています

 

消化液を分泌する外分泌部とインスリンを始めとしたホルモンを分泌する内分泌部に分かれています。*1

 

ちなみにランゲルハンス島は「ラ氏島」と略されることがあるので、忘れずに覚えておきましょう。

膵臓の内分泌部(ランゲルハンス島)

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http://www.agri.tohoku.ac.jp/keitai/scope.htmlより引用

内分泌部は外分泌部のなかに散在しています。一つのランゲルハンス島(islet of Langerhans)には約3000個の細胞が含まれます。これに加え豊富な毛細血管も持ちます。人には約100万個のランゲルハンス島があると言われています。*2

 

ランゲルハンス島にはα細胞(A細胞)、β細胞(B細胞)、PP細胞、δ細胞(D細胞)、ε細胞の5種類の内分泌細胞があります。

内分泌細胞とホルモン 

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http://www.agri.tohoku.ac.jp/keitai/scope.htmlより引用

1つの島当たりの細胞の存在比率・存在部位、分泌物質、色(HE染色)をまとめると以下の様になります。比率は島全体を100%としています。

 

α細胞(A細胞):20%存在する。島の辺縁に多く、グルカゴン(血糖を上げる)を分泌。く染まる。
 
β細胞(B細胞):70%存在する。インスリン(血糖を下げる)を分泌。く染まる。
 
PP細胞:1%存在する。膵ポリペプチドを分泌。染まりにくい。
 
δ細胞(D細胞):5%存在する。ソマトスタチンを分泌
 
G細胞:1%存在する。ガストリンを分泌
 

ランゲルハンスは紛らわしい

実はランゲルハンス島だけでなくランゲルハンス細胞ラングハンス巨細胞という名前のものもあります。名前は極めて似ていますが、特に関係はありません。

 

ランゲルハンス細胞とは?

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ランゲルハンス細胞 - Wikipediaより引用

ランゲルハンス細胞は皮膚のマクロファージのことです。マクロファージの名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

マクロファージの説明

マクロファージは直径が10~30μmで、不整形の細胞です。活発な食作用を持つ細胞です。外部の侵入者から体を守る働きをしています。*3


ちなみにマクロファージは各組織で呼び名が変わります。まとめると以下の様になります。

 

ランゲルハンス細胞:皮膚のマクロファージ

破骨細胞:骨のマクロファージ

マイクログリア(小膠細胞):脳のマクロファージ

肺胞マクロファージ:肺のマクロファージ

クッパー細胞:肝臓のマクロファージ

類上皮細胞:肉芽腫病変のマクロファージ

 

ラングハンス巨細胞

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ラングハンス巨細胞 - Wikipediaより引用

最後に紹介するのはラングハンス巨細胞です。ラングハンス巨細胞とは、肉芽腫性疾患に見られる巨細胞のことです。


類上皮細胞によって作られ、細胞の周縁には馬蹄形の核が存在します。図の中央に確認できますね。結核などの乾酪性肉芽腫で見ることができます。

 

馬蹄とは馬のひづめの事です。医学用語は独特な比喩・表現が用いられることが多いです。なかなか面白いですよね。

 

マクロファージであるという点はランゲルハンス細胞と酷似していますが、混同してはいけません。ラングハンス巨細胞は特殊な核を持ったマクロファージの集合体なので、ランゲルハンス細胞とは異なるのです。

ラングハンス巨細胞 - Wikipediaより引用

 

最後に

実はランゲルハンス島もランゲルハンス細胞も、発見したのは同じ人です。パウル・ランゲルハンスというドイツ人の医学者です。

 

一方でラングハンス巨細胞を発見したのはテオドール・ラングハンスという同じくドイツ人です。

 

以上、ややこしいランゲルハンス関連のまとめでした。

 

※この記事は著作権法第三十二条の要件を確認した上で、研究のため正当な範囲の引用を行っています。ただ、何か問題点がありましたら受け付けますのでご連絡をお願い致します。

 

*1:最新カラー組織学p,353

*2:最新カラー組織学p,355

*3:最新カラー組織学p,104

 

参考にさせていただいた教科書