医学部-組織学
Fanconi症候群について ・Fanconi症候群では近位尿細管が障害される。 Fanco「ni」→ニ→ニア→近 ということから類推することが可能。 ・また、尿細管アシドーシスも合併するが、 Fanco「ni」→ニ→2型RTA というようにⅠ型とⅡ型の区別をすることも可能。 ・カド…
ループス腎炎の予後因子について ループス腎炎では全身性エリテマトーデス(SLE)にてみられる腎炎のことである。 光顕にてwire loop lesionが見られることも重要。 予後因子は2つあり、 ・補体価 ・尿蛋白 である。 この2つの覚え方は「糸がループするのはボ…
巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)について FSGSについて覚えるべきことは。 ・好発年齢が若年者 ・原因にHIVとヘロインがある ・予後が悪い ということである。 覚え方・語呂合わせ まず大前提として、「FSGSの好発年齢は若年者!」であると必ず覚える。 そして…
ネフローゼ疾患の、沈着する免疫グロブリンについて 膜性腎症(MN)はIgGが糸球体係蹄壁に沈着する。 巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は高価病変にIgMが沈着する。 膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)はIgM,IgGの沈着がみられる。 簡単にまとめると、 ・MN→IgG ・FSGS→I…
以前、膜性腎症の原因疾患の語呂合わせを紹介しました。↓ www.joji-study.com 上の記事の語呂合わせは、「膜性腎症バイバイ」です。 今回は他に、膜性腎症そのものの特徴の覚え方を紹介します。 まず膜性腎症は光顕にてスパイクが確認されます。 これは原因…
非ネフローゼ(PSAGN,IgA腎症)について 以前、↓の様な記事を書きました。 www.joji-study.com まずPSAGNですが、まとめると ・腎臓の領域で補体の低下する代表的な疾患にはPがつく。 ・PSAGNのPは、humpのPである ということを覚えれば良いです。 非ネフロー…
近位尿細管で再吸収されるものについて 近位尿細管で再吸収されるものは、たまに国試で問われることがある。 特にFanconi症候群みたいな、近位尿細管の障害だとこれらが尿中に消失するから、「血中で減少するものはどれか?」のような感じで問われることがあ…
PUVA療法について PUVA療法はソラレンを外用・内服し、長波長紫外線を照射する治療法である。 主な適応疾患として ・尋常性乾癬 ・尋常性白斑 ・菌状息肉症 ・掌蹠膿疱症 ・アトピー性皮膚炎 ・円形脱毛症 がある。 さまざまな覚え方があるが、自分は「ジョ…
蕁麻疹について 蕁麻疹はⅠ型アレルギーを機序にして起こる「真皮上層の限局性浮腫」である。肥満細胞からヒスタミンが分泌され、血管透過性が亢進し浮腫が生じるメカニズムである。 別名 「膨疹」ともいう。 よくある引っ掛けとして湿疹との区別が必要である…
半月体形成きたす疾患 急速進行性糸球体腎炎(RPGN)は、光学顕微鏡にて半月体形成をみることが多い。 半月体形成腎炎をみる疾患で代表表的な三つは以下の通り。 ・顕微鏡的多発血管炎(MPA) ・多発血管炎性肉芽腫症(GPA) ・Googpasture症候群(GPS) である。 覚…
血清フェリチンについて 血清フェリチンは、採血検査において生体内の鉄貯蔵量を反映する項目である。 血清フェリチンの上昇は、鉄が過剰に体内に蓄積された状態を示唆する。 血清フェリチンが高値となる代表的な3つの疾患は ・成人Still病(関節炎・皮疹・高…
膜性腎症の原因 膜性腎症の原因には、「マラリア、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、大腸がん、梅毒、B型肝炎」がある。 全部覚えておくと安心なので、覚え方を調べ自分なりに改変してみました。 膜性腎症の原因の覚え方・語呂合わせ イメージと…
単層扁平・円柱・立法,多列上皮 単層扁平上皮の語呂合わせ 単層扁平上皮の代表例は「肺胞壁、腹膜、リンパ管、血管」 肺胞壁→はい、 腹膜→プ リンパ管→リ 血管→けつ まとめた語呂合わせは「はい、プリけつ」 単層円柱上皮の語呂合わせ 単層円柱上皮 - Wikipe…
黄体形成ホルモン(LH)とライディッヒ細胞について 黄体形成ホルモン(LH)は脳下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモンのこと。 男女ともに、LHは性ホルモンの産生を促す。 男性:LHは精巣のライディッヒ細胞に作用してテストステロンを産生 女性:LHは…
粘膜について http://ganportal.jp/gan/esophageal-cancerより引用 粘膜とは消化管壁に存在する、上皮細胞に覆われた外胚葉由来の上皮層のことである。粘膜は粘膜上皮,粘膜固有層,粘膜筋板の三つが合わさったものである。 ・粘膜上皮(消化管上皮) 粘膜表層を…
胃の外分泌細胞について *1 胃の粘膜には胃小窩と呼ばれる穴がある。胃小窩の底には胃底腺があり、外分泌細胞が三種類存在する。細胞と分泌物をまとめると以下の様になる。 主細胞:ペプシノーゲン 壁細胞:塩酸 副細胞:粘液 ペプシノーゲンは塩酸と反応し…
弾性軟骨とは Rauber-Kopsch解剖学より引用 軟骨は軟骨芽細胞からできる。・硝子軟骨:肋軟骨、咽頭、関節、気管・弾性軟骨:外耳、耳管、喉頭蓋・線維軟骨:関節円板、椎間円板、恥骨結合、関節など がある。 弾性軟骨とは外耳道、耳管、耳介軟骨、喉頭蓋軟…
精子の輸送経路 *1 精子が輸送される経路をまとめると以下の様になります。 曲精細管→直精細管→精巣網→精巣輸出管→精巣上体(管)→精管→精嚢→射精管(前立腺を貫く)→尿道に合流→外尿道口 簡略化した経路と語呂合わせ 上記の経路を簡略化すると、精巣 → 精巣上体…
弾性線維と膠原線維の概要 *1 弾性線維とは エラスチンとフィブリリンから構成され、分岐・結合して組織内では編目を形成する。 弾性繊維は、強いが弛緩した状態の1.5倍まで引き伸ばすことができて、元の形に戻ることができる弾性をっている。 皮膚、血管…
基底膜とは *1 基底膜(きていまく、basement membrane)は、動物の組織において、上皮細胞層と間質細胞層などの間に存在する薄い膜状をした細胞外マトリックスである。膜といっても、生体膜とは異なり脂質は含まれない。細胞側から順に、透明板、緻密板、線…
腎炎の中で補体の低下するもの 腎臓の領域で補体の低下する代表的な疾患3つといえば、 ・溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN) ・膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN) ・ループス腎炎 である。 この3つの覚え方は「Pがつく」と覚える。 PSAGN (溶連菌感染後急性糸球…
微絨毛 Microvillus - Wikipediaより引用 微絨毛とは上皮細胞の表面にある、極めて小さい突起のことです。これを構成するのがアクチン繊維束であり、細胞膜と固定する役割はミオシンが担っています。つまり、微絨毛が機能するためにはアクチンとミオシンが必…
細胞骨格は細胞分裂や個体を形成するのに、非常に大きく関わっています。 アクチンフィラメント *1 アクチンフィラメントとは、二本のアクチン重合体が絡まった螺旋状の構造のことです。アクチンフィラメントは直径が5~9nmで、細胞全体に散在しています。微…
副腎について *1 副腎とは左右ある腎臓の上部に位置する臓器です。副腎は皮質と髄質からなります。 皮質ではコレステロールからステロイドホルモンが合成・分泌されます。皮質は三層構造(球状帯・束状帯・網状帯)に分かれ、各々で産生するホルモンが異なりま…
扁平上皮癌の覚え方 これは結構有名ですが、扁平上皮癌は「P」で覚えましょう。 扁平はローマ字でhenPeiと表記されるので、Pを含みます。 また、扁平上皮癌から産生されるホルモンはPTHrPです。Pが二文字含まれるのでイメージしやすいでしょう。 病理像では…