医学部のマッチング、すなわち就職試験は約70%~80%が第一志望の病院に就職できるとされています。
しかし全ての地域にこの数値が当てはまらず、倍率の低い地方はほぼ全員が第一志望にマッチ。都会の人気病院を志望する人は約半数の人が、第二希望・第三希望に溢れてしまっていることを忘れてはいけません。
つまり、70%という割合は
70%≒不人気病院(100%)+人気病院(40%)/2
という式から算出されるのです。
医師国家試験の合格率は90%なので、明らかにマッチングの方が難しいことがわかります。人気病院を志すのであれば、なおさらです。
国試よりもマッチングの方が難関な理由は他にもあります。それは求められる資質・条件が豊富であることです。
簡単な話、国試には学力さえあれば受かります。しかしながらマッチングは学力以外にも、コミュニケーション能力、コネクション、大学の学歴、見た目の良さなど様々な要件を満たす必要があります。
学力に関して言うと、4年生の時点で受験するCBTの学力を重きに置く病院があるそうです。6年生の夏に行われる就職試験に、4年生の夏に受けたCBTの成績を重視する理由は分かりませんが、そのような病院があります。これに関して言えるのは、いくら5,6年生で勉強を頑張ったところで4年生の成績は取り返しがつかないので、早期からマッチングを意識して対策する必要があるということですね。
しかし、いったいどれくらいの割合の学生が、マッチングを見越してCBTを対策するのでしょうか、、ここらへんに関しても情報のバイアスがありそうです。
他にもコネクションに関してですが、学会で偶々とある病院長と知り合いになったことがきっかけで上手く就職した学生がいるそうです。これに関しては勉強の実力ではなく、コネですよね。
実力が評価されない世の中ははっきり言って嫌いですし、自分には不利に働いています。しかし文句ばかり言っても仕方ありません。
なんなら、彼ら病院側の理由もわかります。それはどういうことかというと、「彼らは一緒に働きたいと思う人」を選んでいるからです。
就職試験の成績や発言内容ではなく、CBTやコネを重視する病院は結局のところ、彼ら自身の採用基準に沿っているだけなんですね。要は、一緒に働きたいかどうか。馬鹿でもなんでもいいから、職場に一緒に居たいかどうかを考えているのです。
国試みたいに、勉強だけやっていれば評価される試験とは、全くの別物ということですね。