人間の血糖値はホルモンによって調節されています。ホルモンの働きによってグリコーゲンが分解されると血糖値が上がります。インスリンなど血糖値を低下させるホルモンもありますが、今回は血糖値を上昇させるホルモン(インスリン拮抗ホルモン)をまとめました。覚え方・ゴロも紹介します。
血糖値を上げるホルモン
グルカゴン
http://www.agri.tohoku.ac.jp/keitai/scope.htmlより引用
グルカゴンは膵臓のランゲルハンス島のα細胞で合成、分泌されます。肝臓でグリコーゲン分解を強く促進します。グルカゴンはインスリン拮抗ホルモンの中で一番重要です。
インスリン分泌能を評価するためのグルカゴン負荷試験と呼ばれるものがあります。これはグルカゴンを人間に静脈注射し、インスリン分泌を促進させる仕組みを利用しています。このグルカゴン検査は現在は一般的に行われていないようですが、糖尿病の研究分野においては用いられています。*1
ちなみに実は以前、ランゲルハンス島の記事を書いたことがあるのでよかったら読んでみてください。
【組織学】ランゲルハンス島・ランゲルハンス細胞・ラングハンス巨細胞の違い
グルココルチコイド(糖質コルチコイド)
グルココルチコイドは副腎皮質の束状帯で産生・分泌されます。別名は糖質コルチコイドです。グルココルチコイドは三種類に分けられますが、代表的なものは生体内での量が三つの中で最も多いコルチゾールです。糖新生やインスリン抵抗性を生じさせます。これが欠損すると低血糖を生じます。
成長ホルモン
http://www.do-s.net/ope/ghormone/より引用
成長ホルモンは下垂体前葉から分泌されます。
肝臓でグリコーゲン分解を促進します。インスリンは脂肪の分解を抑制しますが、成長ホルモンは脂肪酸の分解を促進するのでインスリン拮抗作用があります。これが欠損すると低血糖を生じます。
カテコールアミン(カテコラミン)
副腎 | 東京大学医学部附属病院 腎臓内分泌内科 公式ページより引用
カテコールアミンは別名カテコラミンとも呼ばれます。カテコールアミンはカテコール基とアミン基を持つ化合物を意味します。
主にアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンを指します。これらは副腎髄質で合成されます。アドレナリンとノルアドレナリンがグリコーゲン分解を強く促進し、インスリン分泌を阻害します。
血糖値を上げるホルモンのゴロ・覚え方
血糖値を上げるホルモンはグルカゴン、コルチゾール(糖質コルチコイド)、成長ホルモン、カテコールアミンでしたね。それではこの4つの覚え方を紹介します。
グルカゴン → グリ
コルチゾール → コ
成長ホルモン → 製
カテコールアミン → 菓(で血糖値上昇)
まとめたゴロは、
グリコ製菓で血糖値上昇
グリコ製のお菓子をたくさん食べたら、血糖値が上昇するイメージで覚えます。甘いものを食べると血糖値が上がることは誰でも思い浮かぶはずなので、なかなか優秀なゴロではないでしょうか。
参考にさせていただいた参考書